「ホワイト・バレンタイン」(原題「イワン・マトヴェ-イチ」)
原作:チェーホフ 潤色:ゴルゴ40
〔登場人物〕♂1名 ♀2名
♂浩一郎・・・筆名「朝霞浩一郎」。ミステリ-作家。凸凹大学文学部客員講師。
♀ 和子・・・浩一郎の妻。
♀ 政岐・・・凸凹大学文学部英文学科生。
〔背景〕20××年2月14日。
都会の外れのちょっと高級な住宅地にある家の1室。
家の1室である。
テ-ブルに座った浩一郎は、神経質に爪をかんだり、立ち上がったりしていらついている様子。
腕時計を見て大きなため息と共にがなり立てる。
浩一郎「まったくどうなっておるのだ!
こうなるともう、ちょっと時間に無頓着という位じゃすまされんな。
学生という奴はこれだから困る。
社会に出て通用せん連中ばかりじゃ。
今日という今日はただじゃすまされんからな。」
浩一郎は、自分の腹だちをなにかにぶちまけたい気持を感じながら、妻の部屋へ通じるドアに歩み寄りノックする。
浩一郎「和子!」
夫の剣幕に、和子、やれやれという風な顔をドアからのぞかせる。
和子 「あなた、さっき言った通りですよ。
今日も都合でどうしても遅れるという電話が政岐さんからございましたのよ。」
浩一郎「そんな事はもう聞いておる。
わしが言いたいのは、自分の都合で毎日毎日遅れて来るようなアルバイトがあるか、という事じゃ。」
和子 「仕方がございませんでしょう。
あの学生さんもお若いからいろいろおありなんでしょうからねえ。」
浩一郎「学生課の連中に厳重に文句を言っとかなきゃならんな。
いかにアルバイトとはいえ、ちゃんとした学生を寄越して貰わねば困る、とな。
まったくこんな無責任な話があるものか。
アルバイトを紹介しておきながら、紹介した大学当局もどんな学生だか知らないなんて。
あの学生の奴め、毎日判で押したように決まって二、三時間遅れてやって来おる。
若い者ならいざ知らず、わしにとってはこの二、三時間が他人の二、三年よりもっと大切なんだ!
あいつ、やって来てみろ、今日こそは頭から怒鳴りつけて金も払わず、たたき出してやるからな!
ああいう不良学生になど、なんの遠慮もいるものか。」
和子 「あなたったら、毎日、ぶつぶつそんな事を言って・・・
でも、あの学生さん遅れても毎日せっせと通って来るじゃないの。」
浩一郎「だいたい、和子、こんな詐欺みたいな話があると思うか。
政岐というから男子学生かと思えば、やって来たのはあの小娘じゃないか。
人を馬鹿にするにも程があるぞ。」
和子 「あら、そんな事おっしゃるのは問題でしてよ。
あなた、いったい大学で何を教えていらっしゃるの。」
浩一郎「わしはもの書きじゃ、堅苦しい教育者とは違うぞ!
男と女の際どい場面を書こうにもあのような女学生が相手ではやりにくくていかんわい 。」
和子 「何を言ってらっしゃるの。
あなたのお書きになるものにそんな際どい文章なんか金輪際ありはしませんわ。
せいぜいキスシ-ン位じゃありませんか。
今時の女学生さんがそんなもの気にはされませんでしてよ 。」
浩一郎「わしの方が気になると言っておるのだ。
まあいい。
問題はあの遅刻の多さだ。
男子学生にあんな無責任な仕事をする者はおるまいて。
男は将来妻子を食わせてやる心構えがいるからな。」
和子 「まあ、ひどい。
田中先生がお聞きになったら卒倒されましてよ。
あなたがまだ売れない頃、どうやって暮らしてたかお忘れになりましたの?」
浩一郎「それとこれは別の話だ!
お前には悪いが、ああいういい加減な女学生がおるから女全体が軽くみられるのだ。」
和子 「だけど、あなた、政岐さんが始めてやって来られた時、一目で気にいられてたじゃありませんか。
『まるで、娘が帰って来たみたいだ』とか、年甲斐もなくはしゃいでらっしゃって。」
浩一郎「わしの見る目がなかったんじゃ。
こんなに無責任な学生とは思いもしなかったわい。
今日という今日は、女だからといって遠慮はしないぞ。
いったいどういう了見でいるのか聞きただしてお払い箱にしてやるわ。」
和子、何か思い出して自室に戻り、手に小さな箱を持って帰って来る。
和子 「お父さん、まあ、そうイライラなさらないで。
ほら、これでもお食べになりません?」
浩一郎「なんだ、これは?」
和子 「新発売のカルシウム入りチョコレ-トですの。
今日はバレンタインデ-ですからね、お父さんに差し上げますわ。」
浩一郎「わしが甘いものを嫌いなのを知って、どうせお前が食べるつもりで買ったんだろう?」
和子 「気持ちだけお受け取りになって。
それではありがたくいただきますわ 。」
浩一郎、かえってイライラし不機嫌になった様子。
遂に玄関のベルが鳴る。
アルバイトの政岐が息をはずませながら入ってくる。
片手に紙袋、もう片手にはノ-ト型パソコンを重そうに下げている。
化粧一つしていない20歳前後の女子学生で、着古した服を着ており、ズボンが擦り切れ気味なのを気にしている。
白い息を吐きながら浩一郎の姿を認めると、彼女は、子供っぽい純粋さで一杯の微笑を浮かべて会釈し、両手の荷物をその場に下ろす。
政岐 「あ、こんにちは。
先生、お風邪の方はもう良くなられましたか?」
部屋の入り口に立ってにこにこ笑っている政岐に向かって、浩一郎は両手を組んで立ちあがり、ふるえ声で
浩一郎「き、君。君はいったい・・・」
政岐は浩一郎の怒る姿を始めて見たのでびっくりして口をポカンと開けていたが、下げていた紙袋から包みを持ち出して和子に差し出し、浩一郎の言葉を無視するように言う。
政岐 「あのう、これ、先生にと思いまして持って来たんですけど・・・」
和子 「まあ、すみません。
いったい何かしら?」
政岐、テ-ブルの向こうで立ったまま言葉が継げずにうろたえている浩一郎を悪戯っぽく見ると、恥ずかしそうに目を伏せるようにして和子に答える。
政岐 「チョコレ-トケ-キを焼いてみたんです。
先生は甘いものはお嫌いかもしれませんけど・・」
和子 「そんな事ありせんわ。
きっと大喜びいたしましてよ。
若い女性からチョコレ-トを頂く事なんて当分ございませんでしたもの。
さ、お父さん、そんな所にでくのぼうみたいに突っ立ってらっしゃらないで、お座りになって。
お茶でもいれて参りますからみんなで頂きましょうよ。」
和子、自室の方へ引っ込む。
浩一郎、困ったような顔をして座る。
政岐、コ-トをとり浩一郎の真向かいに座ると、包みを開けてチョコレ-トケ-キを出している。
政岐 「先生、チョコレ-トケ-キはお好きじゃありませんでしょうか?」
浩一郎「い、いや、別にそんな事はないよ。」
政岐 「でも、何だか怖いお顔をなさってますわ。」
浩一郎「そ、それはだね・・・」
政岐 「あ、そうか、義理チョコというのがお気に召されないのですね。
でも 、先生、私これでも本を見て一生懸命作ってみたんです。
それに今年はチョコレ-ト差し上げる方は先生だけなんですよ。」
浩一郎「ボ-イフレンドとかにあげるのではないのかね。」
政岐 「私、男の人とお付き合いした事がないんです。
引っ込み思案だし、第一可愛くないですもんねえ。」
浩一郎「そ、そんな事はないよ。
それは、男が悪い。
そう、周りの男の見る目がないんだよ。」
政岐 「そうですか?」
浩一郎「そうです!
そうに決まっておる!」
大声にびっくりしたように早足で、和子、盆の上にティ-カップ、ケ-キナイフ、皿をのせて入ってくる。
和子 「まあ、何をそんなに大きな声出してらっしゃるの?」
3人で紅茶を飲みながらチョコレ-トケ-キを食べる。
和子 「あら、お父さん、甘いものをそんなにお食べになるのって珍しいですわね。
やっぱり、政岐さんから頂いたものですと、お違いになるのですね。」
政岐 「わあ、やったあ、嬉しいっ!」
政岐、子供のように嬉しそうにはしゃぐ。
浩一郎、黙々と食べおえてから、よそよそしく
浩一郎「まあ、頂きものだからな。
礼儀というものだ。」
和子、食べおわったものを盆にのせて出ていく。
政岐、ノ-ト型パソコンをテ-ブルの上にセットして仕事の準備を始める。
浩一郎「ところでね、君。
私が言いたかったのは・・・」
浩一郎、白いものの目立つ頭をボリボリ掻きながら思い出そうとする。
政岐 「な、なんですか?」
浩一郎「だから、チョコレ-トだの、ケ-キだのという事はどうでもいいんだ、そんな事は。」
政岐が手を止めて露骨に悲しそうな顔をしたので、浩一郎慌てて
浩一郎「そうじゃない、チョコレ-トケ-キはおいしかったですよ。
ただね、その、そうだ、君の方こそわかってるはずだろう?
私に何か言わなきゃならない事があるんじゃないかね?」
政岐 「あのう・・・遅刻の事ですか?」
浩一郎、喜んで
浩一郎「わかってるんじゃないか!」
政岐 「ごめんなさい。
でも今日はケ-キを焼いてたもんですから。
私って、1時間で出来る筈の事がなぜだか5時間もかかっちゃうんです・・」
浩一郎「わかっておれば、いいんだ。
さあ、そんなに泣きそうな顔してないで、早く仕事にかかってくれないか。
君のおかげで今月も締切ぎりぎりなんだ。
私のたった一つの連載なのにこれ以上原稿を落とす事は出来ん。
準備はいいかね?」
政岐 「はい、昨日の終わりの所を出しました。」
浩一郎「ええと、どこまで書いたっけね。
ちょっと読んでもらえないか?」
政岐 「男はえんそうをふかしながら・・・」
浩一郎「ん?
ちょっと待って。」
浩一郎、老眼鏡を掛けて苦労しながら画面を覗きこみ
浩一郎「君、それはえんそうじゃなくて、たばこと読むんだよ。」
政岐 「男は煙草をふかしながらてん夜の、ごめんなさい、先生、この字は何ですか?」
浩一郎「それは、喧騒、だろう?まったく、これだからますます能率があがらんわけだ。
君はそれでも文学部の学生なのか?」
政岐 「すみません、私、英文科ですから・・・」
浩一郎、大きくため息をつく
浩一郎「わかった、わかった。
君はキイを打ってくれるだけでいいから、画面を私に見せなさい・・・
男は煙草をふかしながら、夜の喧騒の中に消えていった。
で終わっていたんだったね?
いいかい、次に行くよ。
まず、段落を変えて・・・
何やってるの。
改行して一字下げて書けばいいんだよ。」
政岐 「は、はい。」
浩一郎「その頃、てん、仲代は二階堂の部屋を探っていたが、てん、そこで破かれたモスグリ-ンの制服のスカ-トが・・・」
政岐 「高校の制服って言ってもいろいろあるんですよね。
私の田舎なんか、紺のセ-ラ-服やブレザ-しかなかったですから、こちらに来てからびっくりしましたわ。
だって、いろんな色や形の制服を高校生が着てるんですもの。」
浩一郎「いいから、打ちなさい!
それに何回言ったらわかるの。
仲代は仲代達也の字だって。」
政岐 「仲代達也って誰ですか?」
浩一郎「誰でもいいよ!
君は、私の仲代刑事シリ-ズや原宿鮫シリ-ズを読んだことはないのかね?」
政岐、何も考えていない天使のような微笑みを見せている。
浩一郎、頭を抱える。
浩一郎「うむ・・・
英文科の君に聞いたのが間違いだった。
私の作品は英訳されていないからな。
後でいくらでも文庫本をあげるから読んで来なさい。」
政岐 「うわあ、ありがとうございます。
本を読むなんて中学校以来ですわ。」
浩一郎「どうして君が文学部なんだ?」
政岐 「だって、ここしか入れなかったんですもの。」
浩一郎「わかった、わかった。
頼むから、すぐ泣きそうになるのはやめてくれ。
君の機嫌をとっているような暇はないんだから。
(画面を覗き込んで)次に行っていいかい、ええっと、スカ-トがごみ箱の底に、あ、ごみはひらがなで頼むよ、押し込めてあるのを発見した。
ほら、言わなくても、ここで丸が入る事くらいわかるだろう?・・・
馬鹿、『ほら、言わなくても・・・』ってのは打たなくていいんだよ。
ねえ、君、君は時間で雇ってるんだよ、字数じゃなくってね。
いい加減、仕事に慣れて能率を上げてくれないか。」
政岐 「じゃあ、私がわざと時間を引き延ばしているとでも、お考えなのですか?
私なりに一生懸命やってるのに・・・
なんでしたら、時給を下げて頂いても結構ですけど・・・」
浩一郎「いや、問題はそんな事じゃないんだよ!
どうしてお金の事なんか言いだすんだ?
女の子がそんな事言うもんじゃないよ。
いいかい、大切なのは正確さという事なんだ。
もの書きにとっては1字1句が命なんだからね。
君には、正確さという習慣を是非ともつけてもらわないといけないね。」
和子、盆にたっぷり紅茶の入ったティ-サ-バ-とカルシウム入りチョコレ-トの箱、ティ-カップを2つのせて運んでくる。
和子 「お疲れ様。
政岐さん、一段落したら少し休憩なさいませんか?」
浩一郎「おい、まだほとんど進んでないんだよ。
それに彼女は客じゃない、仕事をしに来てるんだから・・・」
和子 「まあ、お父さん何を言ってらっしゃるの。
朝霞浩一郎の家はそんなけちくさい家じゃありませんでしてよ。
ささ、政岐さん、どうぞお召し上がりになって。
なんでしたら、お父さんもいかがですか。
気持ちが落ち着きましてよ。」
浩一郎「俺はいい。」
和子 「じゃあ、私が頂くわ。」
和子、ゆっくりと紅茶を政岐についでやる。
政岐は両手でぎこちなくカップを抱え、すぐに飲みはじめる。
和子、さらに自分用のカップにも紅茶を入れると、座り込んで飲みはじめ、チョコレ-トにも手をのばす。
紅茶がひどく熱すぎる。
唇をやけどしないよう、政岐はちょっとずつ飲もうと努める。
彼女はチョコレ-トを一つつまみ、さらに二つ、三つと平らげると、照れくさそうに横目で浩一郎を眺め、おずおずと四つ目の手をのばす。
彼女は甘いものには目がないのだ。
和子と政岐のいかにものんびりとした様子が浩一郎をいらだたせる。
和子、紅茶を飲み終えて席を外す。
政岐はまだ紅茶のカップを抱えている。
和子 「それでは、ごゆっくり。」
政岐 「先生、この紅茶、とってもおいしいですわ・・・」
浩一郎「早いこと頼むよ!
時間がもったいないからね。」
政岐 「どうぞ口述なさって下さい。
私、飲むのとキイを打つのと同時にやりますから。
正直なところ、外は寒かったんで少し手がかじかんでたんです。」
浩一郎「そうかね?」
政岐 「ええ・・・
今にも雪が降りそうでしたわ。
でも、私の実家の方では2月はいつも大雪でしたけど。」
浩一郎「ほう・・・
君はどこの出身だい?」
政岐 「新潟です。
新潟では、3月まで雪が残ってます。
雪ってなつかしいわ・・・」
浩一郎「まあいい。
それはそうと、仕事に移ろうじゃないか・・・
どこまで書いたっけね。」
政岐 「モスグリ-ンの制服のスカ-トがごみ箱の底に押し込めてあるのを発見した、まる、というところまでです。」
浩一郎「そう・・・」
浩一郎、腰をおろして考えにふける。
政岐は、相手が考えをまとめているのを待つ間、じっと座ったまま、まだ残っているチョコレ-トを見つめて、これ以上食べるのは下品かしらと、手を伸ばすのを迷っている。
しかし、誘惑に負けてそろそろと手を伸ばそうとしていた時、浩一郎が口を開こうとしたので、あわてて手を引っ込める。
浩一郎「遠慮しなくていいよ。」
政岐、にっこり笑ってチョコレ-トを一つとって食べる
浩一郎「君は甘いものが好きなのかね?」
政岐 「はい・・・
ダイエットしなくちゃいけないんですけど。」
浩一郎「ダイエットだって?
君はやせ過ぎてるくらいじゃないか。
やせたい、やせたいって言うのは、若い女性の思い過ごしだね。
男ってのは、少しぽっちゃりしたくらいの女性が好きなもんだよ。」
政岐 「いえ、私、男性に好かれたいとか、特にそんな事考えてるわけじゃないんですけど・・・」
浩一郎「君は可愛らしいんだからね。
きっと男の人に好かれるはずだよ。」
政岐 「そうですか?」
浩一郎「そうですよ。
大体、君はお化粧とかしないのかね。」
政岐 「ごめんなさい。
私って、見苦しいですか?」
浩一郎「いや、いや、そうじゃないんだ。
君はおとなしい、いい娘さんだけど、唇に紅の一つも引けば、もっと素敵に見えるってことだよ。
ほんと、男なんてそういうので気がひかれるもんだ・・・
待てよ、どこからだったかな。
モスグリ-ンの制服のスカ-トがごみ箱の底に押し込めてあるのを発見した・・・
モスグリ-ンの・・・
モスグリ-ンの・・・
ふむ、ところで、君の高校は、どんな制服だったのかね?」
政岐 「一番普通の紺のセ-ラ-服でしたわ。」
浩一郎「その一番普通という奴を、この頃では見かけんからなあ・・・
君は2年生だったね。
将来のことはどう考えているの?」
政岐 「あのう・・・
私、もう大学やめて実家に帰ろうと思ってるんです。
申し訳ありませんけど、このお仕事も3月いっぱいで終わらせて頂こうかと・・・」
浩一郎「何か事情があるのかね?
せっかく慣れて来たのに、やめるなんて無責任じゃないか。」
政岐 「ごめんなさい。
でも、今不景気だから大学出ても文学部なんて就職ないですし・・・」
浩一郎「やめたって就職出来るわけじゃないだろう?
教養をつけるということは女性にとって大切なことですよ。」
政岐 「それは、私だって大学やめたいわけじゃないんですけど・・・
実家が薬局なんで、帰って来て手伝えって。
仕送りの費用も馬鹿にならないみたいですし。」
浩一郎「要するに、経済的な問題なんだね?」
政岐 「いえ、そんな・・・
私っていつまでたっても不器用でお仕事もうまく出来ないですし、ほかの方に代わって頂いた方がって、思ったりもするんですけど。」
浩一郎「何を馬鹿なことを言ってるんだ。
今君にやめてもらっちゃ困るんだよ。」
政岐 「で、でも・・・」
和子、何やらうれしそうに息せき切って入って来る。
和子 「お父さん!外は凄い雪ですよ。
この辺じゃ、珍しいわ。
バレンタインデ-に雪なんて、とってもロマンティックですわね。」
政岐 「うわあ、私、雪って大好き。」
浩一郎「そうだ、君の時給を上げてやろう。
倍か,いや3倍なら生活していけるかね?
和子、政岐さんの給料を上げてもいいだろう?」
和子 「もう、あなたって本当にロマンティックじゃない人ね・・・
ところで、さっき又催促の電話がございましたわ。
今日中に原稿を送らないと、連載打ち切りですって。」
政岐 「あのう、雪を見に行ってもいいですか?」
和子 「いい考えだわ。
あなたもご一緒に外に出てみません?
とっても綺麗ですわよ。」
浩一郎、不機嫌そうに片手で頭を抱え、もう片手をチョコレ-トに伸ばしている。
政岐、にこにこと天使のような微笑みを浮かべている。
~おしまい~
いかがでしょうか?もし良かったら押してください。
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